Landplanランドプラン
感性を研ぎ澄まし、
潤いを感じる
パーマネントな暮らし方
広い敷地の特性を生かし、
南北にしつらえたふたつの庭。
これにより、暮らし全体が
緑に囲まれたものに。
木の枝が伸び、葉がつけば、木陰ができプライベート感のある自分達だけの空間。
葉が落ちれば明るい光が差し込むようになり視界が開けます。
便利さだけではない、本質的な豊かさを
愉しむ暮らしがここにあります。
京都・岩倉、この地を愛する人で構成される「composition colors iwakura」
隣人との程よい距離感、
緩やかにつながる多様な関係性から
「有機的(organic)」かつ
「永続性(permanent)」ある街が
育まれます。
Voice
建築家が考える
「composition colors iwakura」
の魅力
このプロジェクトを聞いた
第一印象は?
今回は京都の岩倉という場所と聞いて、特別な場所だなぁという印象が一番大きかった。左京区の分譲地というだけでも希少だが、その中で岩倉に14区の売り建てができるということで、すごく面白そうだと思って山中商事さんの説明を聞いていた。
販売される地区は風致地区になっていて、建ぺい率が非常に低い。風致地区というのは基本的な街並みを保全するために、いろんな建築物や造作物にルールが設けられていて、京都市はそれがいちばん厳しい自治体でもあるんです。
例えば瓦屋根で勾配屋根を原則としますよ、とか敷地の中に余白が60%なくちゃいけないとか、暮らしの快適性も追求しながら街の品格も守っていかなければならないところが大変。
だからそれをどう活かすかということも設計に盛り込みながら、どういう家々が良いか、どんな暮らしができるか、理想的な街を思い描き、プランを練ることからはじめていった。
目指したのは、緩やかにつながる
バランス感覚のいい暮らし
理想的な街のモデルとしては、軽井沢がわかりやすい。
森の中にポツンポツンと別荘がある。周りは豊かな森になっていて、ほとんど塀がなく、自然との境界線が曖昧になっていて、それがすごく特別な印象を受ける。
森の中にのどかに暮らしているというだけじゃなく、そこに住まう人が自然との調和を楽しみながら生活するという、大人の品格のようなものを感じる。ここに岩倉プロジェクトに通じるヒントがあると思う。
都市部で家を建てると、ほとんどの人がセキュリティのことを考えて塀や境界線で囲ってしまう。
でも自然が豊かな場所でそうするとせっかくの土地の魅力が楽しめなくなってしまう気がする。
最低限、購入した人の希望は叶えていきたいが、本当の意味での街の調和、全体バランスというものも今回の分譲地では大切にしていきたい。
たとえば、南の庭を広げたいから北の庭いりませんっていう要望には応えられない。
なぜなら、それをやってしまうとどういうことが起こるかというと、この人にとっては庭が広がり、一時的によくなるかもしれないが、もし隣が敷地ギリギリに二階建てを建てたらこの広くした庭ぜんぶ暗くなりますよね。お互いの庭が、自分のものでもあり、お隣さんのための庭でもある。
利己的な解決じゃなく、共生というか、他を受け入れる利他的な発想があることでポジティブな街が出来上がっていくものだと思っている。
エゴイスティックばかりでは成り立たない。
あくまで群として暮らしを楽しんでもらう地域です。って打ち出したほうが商品価値としても上がると思う。
そういう意味でも今回のプロジェクトは一線を画した本当の意味での「まちづくり」のスタンダードモデルになり得ると思っている。
親自然な暮らし。そして余白
「親自然(しんしぜん)」というテーマを日々考えている。
言葉として、親自然というと概念的になってしまうけど、住まいには相互の関係がある。
テラスや庭とつながる居住スペース、土間と庭の関係であったり、2階の部屋から眺める景色であったり、居場所を限定せずに日常のあちこちに自然を感じられる暮らしの仕掛けを用意している。
例えば、縁側に出てなんとなく庭を眺めるとか、あるいはそれを眺めながらリビングでデスクワークをする、庭を眺められるスペースでテレワークする。
そういうライフスタイルが叶うのもここ岩倉ならでは。
背景も大事。そこにいいオブジェがあっても、その背景がひどかったらどうしようもないでしょう。背景っていうのは大事なのに、たいてい背景は隣のうちの壁だったりしませんか。
だからこそ南北の庭で隣のうちの壁がもうちょっと向こうにあるとか、塀があるけど自分もお互いも損しないように、せめてこのくらいの高さでやっていきましょうっていうのが大事。
またフレキシブルに使いやすい間取りにも配慮している。
教科書的にこう使いなさいというものではなく、家族のリズムに合わせて変化する余白を残した空間を考えました。
ネーミングにもなっている
“コンポジション”とは
最初に「岩倉コンポジション」というのはどうかなと直感で浮かんだ。ありきたりじゃなく、聞き慣れない言葉の方がいいなと。
「構成」とか「組み立てる」とか「作曲」という意味もあって「自然と人間の生活が織りなす街」という趣旨なんですよ。コンセプトにもしっくりきたし一個のものだけでなくて、相互に、構成ですから複数の造形、もの、人が折り重なって楽しい状態。望ましい状態ができたらいいなぁと考えた。
ダイバーシティって言葉もいろいろなものが混ざりあって多様性を生み出す、そんなイメージともシンクロできる。
都市の多様性に関しても、アメリカだと多くの人種がいて、多様な国家が出来上がっている。ニューヨークは非常にたのしい、なぜならばいろんな人がいて、いろんなことが行われているから。
都市の中で街をつくるときに、道路にしても、はじめからきっちり整合性をとりすぎてしまうと、それはどっかで国が決めたカーブはこれくらいにすると安全とか、最低速度4 0 キロでこの道は曲がりやすいですよといったルールでぜんぶ画一化されてしまい、日本全国ぜんぶ似たような街になっていく。そうなると、どこの街角も建物も似たような感じになっちゃうんですよ。
それは、多様性を生み出すための歴史をゼロにしちゃうからなんです。
ここ岩倉では、規制でやむを得ない部分は除いて、細い通りもあえて残している。
幾つかの住戸では前面道路から玄関までのアプローチを路地状にして、街の中の広い道から細い通りに入っていくようなシーンを描いています。
「composition colors iwakura」では、狭い道も広い道もたくさんあるほうが、まちの中を歩いていて楽しくありませんか?という感覚を大切にします。
広い道がずーっと広がっているときに、ちょっと路地に入ったときに急に静かになったり、親密な感じになったり、というときって街の中で違う体験ができるわけですね。
だから道幅がぜんぶ同じっていうのは僕にとってはぜんぜんつまんない。街としては。
利便性はいいかもしれないけど、不規則なところをあえて残してやるのがいいじゃないかと思った。
そういう部分が隠し味のようになって、街の魅力を引き出していくのが自分の役目ですね。
Profileプロフィール
長坂 大建築家
略歴
- 1960
- 神奈川県生まれ
- 1982
- 京都工芸繊維大学住環境学科卒業
松永巌・都市建築研究所
- 1985
- アトリエ・ファイ建築研究所
原広司(建築家/東京大学名誉教授)に師事
- 1989
- 京都工芸繊維大学造形工学科助手
- 1997
- 学位論文「漁村集落における屋外空間の研究」
博士号取得(東京大学)
日本建築学会会員
- 2003
- 奈良女子大学人間環境学科准教授
- 2008
- 京都工芸繊維大学デザイン・建築学系 教授
現在に至る
受賞
- 1990
- SDレビュー 90(1席) 鹿島賞
- 1992
- 環境芸術大賞 92(1席) 環境芸術大賞
- 1996
- ふるさとの顔づくり設計競技(1席) 建設大臣賞
- 2003
- 作品選集2003
- 2006
- 作品選集2006
- 2009
- 神奈川建築コンクール 一般建築物部門 優秀賞
- 2010
- 神奈川建築コンクール 住宅部門 優秀賞
- 2011
- 第36回北海道建築奨励賞
作品選集2011
- 2012
- 京都デザイン賞 京都市長賞
作品選集2012
- 2014
- 作品選集2014
- 2015
- 第13回関西建築家大賞